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    DJ大塚広子の「神保町JAZZ」
    2012〜15年掲載

DJ 大塚広子の神保町JAZZ:人気美人DJ・大塚広子が贈る、珠玉の神保町セレクト!

DJ Hiroko Otuka
幅広く柔軟なJazzの切り口と、徹底した音源追求、繊細かつ大胆なプレイを持ち味に、DJ/イベント企画、執筆活動を行う。全国各地から、スペイン、フジロックフェスティバル、BLUE NOTE TOKYO、東京ジャズフェスティバル等に出演。日本のジャズ・レーベル、「TRIO」、「somethin'else」(EMI)、「DIW」(DISK UNION)、「Venus Records」のMIXCDを監修制作する。

オフィシャルHP http://djotsuka.com

第29回 クラウド・ファウンディングって!

Hiroko's Selection

  • The Thought Of You

    @
    The Thought Of You
    Otis Brown III

    2014年リリースの初リーダー作。自身のオリジナル曲とグラスパーとの共作、ビラルの曲とカヴァー曲で構成。ゴスペルやカントリーを取り入れ、青春時代をともにしたヒップホップ要素も根本に感じる充実の作品。自らのルーツを大切にしたファミリーツリー的な内容で、気心知れた仲間とのジャム・セッションが楽しめる。

  • Conviction

    A
    Conviction
    Kendrick Scott Oracle

    2013年リリース。3作目のリーダーアルバム。コンテンポラリージャズ・ファンから評価が高い作品で、変拍子や多彩なリズムを駆使したドラミングでありながら、異端過ぎない引き締まった仕上がりが好印象。エレピやヴォーカルで変化をつけた選曲も◎。彼は今年7月発売の山中千尋(p)最新作にもベン・ウィリアムス(b)らと参加しています。

  • Cross Culture

    B
    Cross Culture
    Joe Lovano Us FIVE

    2013年リリース。US five名義での3作目。ブルーノートからのリリースでお馴染みのベテランが注目若手と組んだカルテットで、このオーティス・ブラウンIII (ds)、エスペランサ・スポルディング(b)、リオネル・ルエケ(g)等参加。「Drum Chant」はアフロセントリックなナンバーで個人的によくプレイするお気に入り。

  • Golden Age

    C
    Golden Age
    Nir Felder

    2014年リリース。2011年録音。聞きやすい8ビートの曲調に乗った気持ちのいいコードのナンバーや、ヴォーカルスキットをアクセントに乗せたザラッとした楽曲など多彩なアプローチ。強烈な印象はないもののサラっときけて聞くほどに味がでる。昨年ソニー傘下で復活し話題になった老舗ブルースレーベルOKehから。このレーベルも注目です。

今は
プロデュース力の時代!?

 先月は機械を追い越す人力ドラムについて特集しましたが、今のジャズはドラマーの時代というくらい人材が豊富!今月も新しいドラマーの新作がリリースされました♪今月ご紹介するのはオーティス・ブラウン三世というドラマーです。この作品はいままでのジャズ部で特集してきたミュージシャンたちがたくさん参加する今ジャズらしい内容でもあるので、おさらい的にもご紹介したいと思います!ヴィンテージな中古レコード風のデザインにブルーノートのロゴ(@)☆名門のお墨付き作品!とおもいきや、これがちょっと違うんです。実はいまアメリカではクラウドファインディングというリリースの仕方が広まりつつあります。まずインターネットで資金を募り、企業のなかではなく自らのコネクションとやり方でアルバムをつくっていきます。そして出来上がってからブルーノートとの契約が決定したという流れ。いまアメリカのジャズ界ではミュージシャンがなんでもできる時代にきているのかもしれません。レコード会社がプロデュースの権限をもつ時代とは違い、ミュージシャン自身のプロデュースワークが光る時代ともいえます。本作のプロデュースを手がけるのは、オーディス本人と第21回でご紹介したベーシスト、デリック・ホッジ。昨年の初リーダー作『Live Today』は彼のプロデューサーとしての才能が開花した作品として評価が高く、1年経った今も話題が絶えません。

注目の
メンバー紹介!

 デリックのプロデュース作として記憶に新しいのがA。30代メインの実力派若手を集め、聴き応えあるソロを展開しながらナレーションやコーラスを取り入れ途切れなく進行していく物語のような作品です。DJのミックステープの感覚にも近いような気が・・・。Aとデリック・ホッジの『Live Today』もどちらも上品で知的なが雰囲気があって、これこそジャズを楽しむ大きな醍醐味だなと感じます。オーティスの作品に話しを戻すと、彼は学生時代、サックスの巨匠ジョー・ロヴァーノから教えを受け、師のレコーディングにも参加するまでの実力をつけました。Bでもわかるように、カルテットの一員として早くからブルーノートの作品のドラマーとして頭角を現しています。@の注目はやはり参加メンバー!ロバート・グラスパー(p)をはじめ、Aにも参加するサックスのジョン・エリス、ベン・ウィリアムス(b)キーヨン・ハロルド(tp)、シンガーではグレッチェン・パーラトビラル。そしてギタリストのニール・フェルダー。このニールの初リーダー作Cは業界でも話題になっていましたが、ジャズとロックファン両方から支持を得るアルバムで、聞きやすく爽やかな印象があります。4ビートのジャズとは印象が全く違いますが、テクニカルな部分とポップスの要素が程よくミックスされていて聞くほどに味がでます。そんな注目ミュージシャンが一同に介した@、ぜひ聞いてみて下さいね。


ライブ情報

  • 9/20(土) 加古川 Factory No.079
  • 9/26(金) 渋谷 The Room
  • 10/5(日) 大阪 心斎橋 CINEMATIK SALOON
  • 10/18(土) 名古屋 mi casa su casa
  • 10/21(火) 新宿 Brooklyn Parlor

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