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    DJ大塚広子の「神保町JAZZ」
    2012〜15年掲載

DJ 大塚広子の神保町JAZZ:人気美人DJ・大塚広子が贈る、珠玉の神保町セレクト!

DJ Hiroko Otuka
幅広く柔軟なJazzの切り口と、徹底した音源追求、繊細かつ大胆なプレイを持ち味に、DJ/イベント企画、執筆活動を行う。全国各地から、スペイン、フジロックフェスティバル、BLUE NOTE TOKYO、東京ジャズフェスティバル等に出演。日本のジャズ・レーベル、「TRIO」、「somethin'else」(EMI)、「DIW」(DISK UNION)、「Venus Records」のMIXCDを監修制作する。

オフィシャルHP http://djotsuka.com

第28回今話題の・・・ジャズドラムVSエレクトリックミュージック!

Hiroko's Selection

  • While You Were Sleeping

    @
    While You Were Sleeping
    Jose James

    2014年リリース。通算4枚目となるスタジオ・アルバム。なかでも話題になっているのは2曲目の「U R The 1」。つんのめったような、先にすんなり行かない“よたった”リズムが癖になる?この人力ビートの作り方が、今の時代を先取るヒントになっているようです。歌声、曲風共により幅広くレベルアップした現時点での最高傑作!

  • Whole Other

    A
    Whole Other
    Richard Spaven

    2014年リリース待望の初リーダー作。なかでも「SIDEllSIDE」は人の手と機械との違いを感じ取れる“ミニマル”なビートが特徴の秀作!フライングロータスとのツアーできっかけを得たエグベルト・ジスモンチのカヴァー「Bianca」も魅力的で、本人曰く“ヒップホップ・バラッド”というイメージの今らしいアレンジが味わえます。

  • Spaven's 5ive

    B
    Spaven's 5ive
    Richard Spaven

    2010年音源配信6曲ミニアルバム。スペイヴンと、ギター、ベース、2キーボードの5人と、ホセ・ジェイムスも参加。プログラミングも導入し、彼のドラムも素材として使用されたクラブミュージック解釈のドラマー作品。4 Hero、I.G. Cultureなどウエストロンドンの影響を受けた人力ブロークンビーツやポリリズミックな曲も◎。

  • Cosmogramma

    C
    Cosmogramma
    Flying Lotus

    2010年リリース。アリス・コルトレーンの甥っ子でヒップホップを抽象的にエレクトリックに進化させた“ビートミュージック”シーンをリードする時の人。彼の4つの作品の中でも個人的には『Los Angeles』推しですが、ジャズ脈としてはこちらの3rdを。収録の「MmmHmm」はヴィジェイ・アイヤーがアコースティックなジャズでカヴァーし話題に。

例えば、
ホセ・ジェイムス・バンド。

先月特集のフジロック・フェスティバルでのライヴが終わり、まだまだ興奮冷めやらぬ今日この頃ですが、こっそりフジロック前夜に体験してすっごくよかったライヴがありました!今回はそのバンドメンバーの一人に迫った作品をご紹介します!そのライヴというのは、ブルーノート東京でのホセ・ジェイムス。第7回で取り上げた『ノー・ビギニング・ノー・エンド』に続く、2014年の最新作@のリリース・ツアーであります。昨年はブルーノート・レーベル移籍の話題が、ロバートグラスパー・エクスペリメントのヒットと相乗して、アルバムの音もR&Bテイストのロービート・グルーヴが印象的だったのに対して、今回は表情を一気に変えてきました。ギターを加えた新たなバンド編成で、彼が影響を受けたニルバーナ的オルタナティヴ・ロックと、ジェイムス・ブレイクに代表されるイギリスのエレクトロニック・ミュージックをも詰め込んだ内容です。彼のインタビューからみても、グルーヴに甘んじず、歌詞(メッセージ)を強く意識し、バンドを引き立つ楽曲を作ることに集中したようで、明らかに前作のイメージを脱却した内容になっています。その変化がとても大きな話題になっていたので、ギターロックっぽいのかな〜と思って実際聞いたライヴは、予想に反してソウルフルな要素がしっかりと入り、楽器の音色を駆使しつつも新しさがいっぱい詰まった素晴らしい演奏でした!

人力ドラムが、
機械を超える!?

バンドメンバーは、ブラッド・アレン・ウィリアムズ(g)、クリス・バワーズ(key)、ソロモン・ドーシー(b)、リチャード・スペイヴン(ds)。クリスのキーボード(第25回で紹介)と、ソウルフルなギターのレイヤーがとても美しかったり、ディストーションをかけたロック調のヴォーカルやラップも披露したホセの歌唱力に圧倒されたり・・・と、ライヴ評はたくさんあるのですが、ここでは特に注目されていたドラマー、リチャード・スペイヴンにスポットをあててご紹介します。Aは、今タイムリーな彼の新作。打ち込み系の音楽とみせて、これらはすべて彼の人力ドラム!エレクトリックミュージックと生演奏の境を超えた別の新しさを感じます!彼が今注目されるのは自身のフィールドであるロンドンのエレクトリックシーンと、アメリカのジャズ〜ビートシーンを融合させていることが一つの理由です。Bは4年前にダウンロードでのみ公開されていた作品。彼の交流をそのまま音としてパッケージしたまさに今を予感させる内容でした。特にLAのビートシーンを拠点に今や時代の申し子となったプロデューサー、フライングロータス(C)との交流が飛躍の鍵となります。フライングロータス・ライヴバンドに抜擢され、彼のビートメイキングを手作業でトレースすることを許された彼のドラミングは、テクノロジーに並ぶ人の技のレベルを証明し、さらに独自性を加えながら今の時代を映しています。


ライブ情報

  • 8/23(金) 渋谷 The Room
  • 9/6(土) 金沢 MANIER
  • 9/13(土) 山形 RAF-REC
  • 9/20(土) 加古川 Factory No.079

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