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    DJ大塚広子の「神保町JAZZ」
    2012〜15年掲載

DJ 大塚広子の神保町JAZZ:人気美人DJ・大塚広子が贈る、珠玉の神保町セレクト!

DJ Hiroko Otuka
幅広く柔軟なJazzの切り口と、徹底した音源追求、繊細かつ大胆なプレイを持ち味に、DJ/イベント企画、執筆活動を行う。全国各地から、スペイン、フジロックフェスティバル、BLUE NOTE TOKYO、東京ジャズフェスティバル等に出演。日本のジャズ・レーベル、「TRIO」、「somethin'else」(EMI)、「DIW」(DISK UNION)、「Venus Records」のMIXCDを監修制作する。

オフィシャルHP http://djotsuka.com

第14回 ラテンジャズとはいったものの・・・。

Hiroko's Selection

  • Yo

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    Yo
    Roberto Fonseca

    2013年リリース。世界のジャズ・シーン、クラブ・シーン両サイドから注目を集めている新世代ピアニスト。ラテン、キューバの音楽を、北・西アフリカの音楽と掛け合わせ、ダンスミュージックを通過した現代の感覚でアレンジした最新作。カリブ海の音楽とアフリカ音楽の融合を図るような試みは、今後更に注目されるはず。

  • Images

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    Images
    Gonzalo Rubalcaba

    1991年リリース。マウント・フジ・ジャズ・フェスティバルのライブを記録し一躍彼の名を広めた作品。大歓声のなか、圧倒的なテクニックとスピードで幕をあける「No Name」が臨場感満点で最高!私の監修したMIX CDにも収録されています。『The Pieces Of Somethin' Else』 こちらもよろしくお願いします!

  • The pieces of somethin'else mixed by Hiroko Otsuka

    The pieces of somethin'else mixed by Hiroko Otsuka

  • Today's Opinion

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    Today's Opinion
    Yosvany Terry

    2012年リリース。いかにもキューバ!の出だしから、とたんにクールに変換する粋なアフロキューバン・ジャズ。ポリリズム満載の1曲目や、ゴンサロ・ルバルカバがゲストのラスト曲など聴きどころ満載。キューバのミュージシャンらしい熱っぽさ、そして洗練された現在感覚が同居する究極のハイブリッド・NY・ラテンジャズ!

  • Coup De Tete

    C
    Coup De Tete
    Kip Hanrahan

    1981年リリース。記念すべきキップ・ハンラハンのデビュー作。1979〜1981年に録音されたとは思えない、時代を超越した作品。マイルス・デイヴィスのプロデューサーとしても知られるテオ・マセロ、オーネット・コールマンのバンドのジャマラディーン・タクマ、ビル・ラズウェルなど時代をつなぐ錚々たるメンバーが集結。

キューバのキーマン。
2人のピアニスト♪

 「大塚サン!そろそろ夏だから、ラテン系特集でもやってよ!」「う、うん・・・!」とは言ったも・の・の、なにから聞けばいいの?!正直そうなんです。ラテンといっても、とっても幅広いし簡単じゃない。でもまずは自分好みの作品を見つけられたらOKじゃない!ということで、比較的現代の作品からピン!ときた作品をご紹介します。まず90年代末に上映された「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は皆さんご存知ですか?この映画でキューバ音楽は世界的な話題を呼びましたが、ここで結成されたプロジェクトにベテランミュージシャンと混じって参加していた若きピアニスト、ロベルト・フォンセカが今アツイんです!イギリスのDJ、ジャイルス・ピーターソンも参加している最新作@は、垢抜けたクロスオーバーサウンドで大ヒット!ダンスミュージックからのアプローチで現地のラテン音楽とのコラボが実現し、話題を生むパターンがここ数年目立ちます。一方同じキューバでも、ジャズのフィールドで有名なのはゴンザロ・ルバルカバ。チャーリー・ヘイデンらとの活動によってその超絶技巧が注目されモントルー・ジャズ・フェスティバル、日本のマウント・フジ・ジャズ・フェスティバルに出演し大ブレイク。でもキューバと国交のない米国で作品リリースは当時難しく、日本のブルーノート姉妹レーベルから作品を切り(A)、日本からの輸入盤という形で米国へ広めていったとか・・・。

クールな
ラテン表現♪

 さてキューバの音楽家でもう一人忘れてはいけないのが、サックス奏者、ヨスバニー・テリー。ゴンサロ・ルバルカバとの共演をはじめ多くのプロジェクトで世界を飛び回り、現在NYで活躍するキューバ人アーティストで最も忙しいと言われています。彼の3作目となる最新作Bは、アフロキューバンなリズムと、ブラジリアンなアレンジも加えながらも、音楽自体はジャズとして楽しめる、ありそうでない作風が魅力。たくさんのリズムと変化ある展開の中で紡ぎだされるモーダルな演奏がとってもクール!ラテンというと、陽気!熱気!というイメージがありますが、その表現の仕方も千差万別。個々のプレイにはその熱を自由に反映させながらも、知的な表現力と身体の内側に訴えかけるような濃厚な世界を作り上げている人がいます。自らのレーベル、アメリカン・クラーヴェで存在感溢れる作品を発しているプロデューサー、キップ・ハンラハンC。ヨスバニーと数年前来日も果たして話題になりました。彼はアイルランド人の父とユダヤ人の母との間に生まれ、NYのブロンクスでラテンを体験してきた人。それ故に感じてきた社会的な問題や、彼なりの文学的テーマをも盛り込んだ大きなスケールの作風はたくさんの人に影響を与えています。現地のラテン文化とはまた違った、アメリカ独自のラテン・コミュニティの存在も面白いのですが、今月はここまで!!


ライブ情報

  • 6/28(金) 渋谷 The Room
  • 〜7月はNY現地取材&DJにいってきます!

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