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    DJ大塚広子の「神保町JAZZ」
    2012〜15年掲載

DJ 大塚広子の神保町JAZZ:人気美人DJ・大塚広子が贈る、珠玉の神保町セレクト!

DJ Hiroko Otuka
幅広く柔軟なJazzの切り口と、徹底した音源追求、繊細かつ大胆なプレイを持ち味に、DJ/イベント企画、執筆活動を行う。全国各地から、スペイン、フジロックフェスティバル、BLUE NOTE TOKYO、東京ジャズフェスティバル等に出演。日本のジャズ・レーベル、「TRIO」、「somethin'else」(EMI)、「DIW」(DISK UNION)、「Venus Records」のMIXCDを監修制作する。

オフィシャルHP http://djotsuka.com

第26回

Hiroko's Selection

  • Chris Dave and the Drumhedz Mixtape

    @
    Chris Dave and the Drumhedz Mixtape
    Chris Dav

    2013年発表。ループするリズム、固めのビート、まさにヒップホップ的な感覚で曲が切れ目なく続いていく作品。DJの発表するミックステープそのもので、私も初めて作った作品はミックステープだったな〜、と深く共感の内容。気心知れたミュージシャンとのセッションで、これぞ彼の等身大の音。クリス・デイヴのHPから無料ダウンロード可能です!

  • From the Mint Factory

    A
    From the Mint Factory
    Mint Condition

    1993年リリース。ニュージャックスウィングからネオソウルへ以降する時代、ジャム&ルイスのプロデュースでリリースされたR&Bグループの2枚目。クリス・デイヴはまだ正式メンバーではなかったものの、1曲目でメインメンバーのストークリーとエネルギッシュなドラミングを披露!打ち込み全盛期のなかで、生楽器を多用したサウンドは今聞いても新鮮!

  • Simply Said

    B
    Simply Said
    Kenny Garrett

    1999年リリース。マイルス・デイヴィス・グループ出身、スピリチュアルなプレイで知られるサックス奏者が、21世紀を前に心機一転。多彩なジャンルを組み込んだカラフルでメロディアスな雰囲気を打ち出した異色作。パット・メセニーやマーカス・ミラー等ビッグネームが参加していますが、クリスの万能なリズム捌きが一番の聴き所。

  • Unrehurst Volume2

    C
    Unrehurst Volume2
    Unrehurst

    2010年リリース。ロバート・グラスパー(p)、クリス・デイヴ(ds)、ロバート・ハースト(b)でのピアノトリオ。1曲10分以上に及ぶセッション的要素が強いライヴ作品ですが、聞く度に新たな発見があって飽きません!同じメンバーでの「Live from Bonnaroo 2007」(iTunesのみの配信)もおすすめ!

クリス・デイヴが
気になる訳。

 先月取り上げた、インターナショナル・ジャズ・デイ、いや〜すごかったですね〜。豪華すぎるジャズ・ミュージシャンたちのステージで、世界水準の今を目の当たりにした方も多かったと思いますが、今月はもう少しアンダー・グラウンドでストリートな雰囲気の"今ジャズ"をご紹介します!昨年もたくさんの"今ジャズ"(と、最近総称して呼んでいるですが・・・)をご紹介しましたが、今回とりあげるドラマー、クリス・デイヴは、第12回目の特集、ロバート・グラスパーと、第21回目で取り上げたベーシスト、デリック・ホッジと同じグループです。"今ジャズ"の代名詞、ロバート・グラスパー・エクスペリメントのドラマーとして注目されたのは周知の通りですが、大ヒットとなった『BlackRadio』のリリースから数年経った今、彼のドラマーとしての認知度とタレント性がより注目されています。今月6月の来日時に、彼が率いるクリス・デイヴ&ドラムヘッズの来日公演でのオープニングDJと、音源紹介のためのMIXを作ってラジオ出演させてもらったのですが、過去の音源を調べていくうちに彼のドラミングの癖にハマってしまい・・・。ありきたりのドラミングに満足できなくなってしまった自分がいました(笑)。それ位、刺激があるリズムと音色をもったドラミングということ!まずご紹介したいのが、実質の最新作@。これ、フリーダウンロードで誰でも無料で聞けちゃうんです!

クリス・デイヴのドラム解析!
この順番で聞くべし♪

 @の第一印象は、"まるでヒップホップ?"題名からしてそんなイメージそのものなんですが、23曲ずっと聞いていくと、ドラムのリズム感が自然に身体に染み付いてくるのが分かります。しばらくこの作品を聞いたのちにAの1曲目を聞いてみてください。ジャンルは90年初頭R&Bで全体の音の構成は明らかに古い(笑)のですが、イントロのドラムソロを聞くと、"おお!これはまさに、@のドラムヘッズに出てくるクリス・デイヴの音!"そして次は、90年代後半、ジャズの作品へ行ってみましょう。Bは、彼がジャズ・ミュージシャンのメンバーとして才能を開花させた作品。Aとは質感も構成も全然違いますが、2曲目を聞くと、"こんな感じのリズム、どこかで聞いたことなかったっけ?"と身体が反応するグルーヴ感に気づくはずです。最後に、また最近の作品に戻ってCのジャズ・スタンダード「Monk's Dream」を聞いてみてください。まず開始からの1分前後のリズムの刻み方に注目!間をずらしたり、早すぎるシンバルの連打があったり、急に16ビートになったり・・・。@Bで現れていたドラムの表現が凝縮されているのがわかります。曲が終わる14分後のドラミングも、まさにクリス・デイヴの音。オーセンティックなジャズ構成のなかで、過去に培った別ジャンルの音が個性となって新しい響きを生んでいます。自然とジャンルがミックスされたコラージュ感覚、きっとこれが"今ジャズ"の要素なのかも!?


ライブ情報

  • 6/21(土) 名古屋 Out Record
  • 6/22(日) 大阪 梅田スカイビル36階 Jazzyroom
  • 6/27(金) 渋谷 The Room
  • 6/28(土) 東京 東村山市 Foggy
  • 7/5(土) 新宿Pit Inn
  • 7/12(土) 千葉 千葉市 Crack Up Munchies

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