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    DJ大塚広子の「神保町JAZZ」
    2012〜15年掲載

DJ 大塚広子の神保町JAZZ:人気美人DJ・大塚広子が贈る、珠玉の神保町セレクト!

DJ Hiroko Otuka
幅広く柔軟なJazzの切り口と、徹底した音源追求、繊細かつ大胆なプレイを持ち味に、DJ/イベント企画、執筆活動を行う。全国各地から、スペイン、フジロックフェスティバル、BLUE NOTE TOKYO、東京ジャズフェスティバル等に出演。日本のジャズ・レーベル、「TRIO」、「somethin'else」(EMI)、「DIW」(DISK UNION)、「Venus Records」のMIXCDを監修制作する。

オフィシャルHP http://djotsuka.com

第23回 都会の夜のBGM≪アメリカン・クラーヴェ≫って知ってる?♪

Hiroko's Selection

  • Weightless

    @
    Coup De Tete
    Kip Hanrahan

    1981年リリース。キップ・ハンラハンのソロ・デビュー作。DJでは「This night comes out of both of us」を昔からよくプレイしています。全体を通して流れているダブル・トラップ・ドラムとクラーヴェのグルーヴ、それに呼応するニューヨーク・アンダーグラウンドの精鋭たちが繰り出す音世界が見事に収められた記念作。

  • Lost & Found

    A
    Music for the Texts of Ishmael Reed
    Conjure

    1985年リリース。タジ・マハールに、アラン・トゥーサン、レスター・ボーイといったメンバーが一同に介し、ダウン・トゥー・アースな音色でアメリカンカルチャーを綴った作品。DJでは収録の「The Wardrobe Master of Paradise」とダニー・ハサウェイの 「The Ghetto」を昔から一緒にかけていました。

  • Kachupada

    B
    Ya Yo Me Cure
    Jerry Gonzalez

    1980年リリース。ウェイン・ショーターの「Nefertitti」、セロニアス・モンクの「Evidence」のジャズをエレガントにラテンで包んだカヴァーが素晴らしい!昨年訪れたNYでは、ブルーノートでちょうど彼のライヴがあったり、レコード店でこのオリジナルLPを見つけたりとリアルな現地の思い出となりました。

  • It's A Good Day

    C
    A Thousand Nights and a Night(1.Red Night)
    Kip Hanrahan

    1996年リリース。キップ・ハンラハンの音楽はこの前と後で大きく分けられるとも言われる程、レーベルのエポックメーキングとなった作品。オープニングの「Shahrazade(opening)」を聞けば、このレーベルの魅力が肌で感じ取れるはず。この世界観にはまった方は、続編(Shadow Night)もぜひ!

アメリカン・クラーヴェ
出会いのこの2枚♪

 いよいよ春ですね〜♪でも新たな環境に(花粉症にも!)ちょっと目眩を起こしたりする時期かも??時には音楽で現実逃避するのはいかがでしょう?私がこのレーベルに出会ったのは20歳の頃。DJで使える曲があったのはもちろんなのですが、都会っぽくてミステリアスで大人な薫りに惹かれ、映画を見るように現実を忘れては曲に浸ったものです(笑)。アメリカン・クラーヴェは1980年にキップ・ハンラハンが始めたニューヨークのラテンコミュニティーのレーべルです。主に南米ラテン圏出身のミュージシャンが中心となってパーカッシヴで雑然とした音色のなかにも、エレガントでどこか都会の夜を感じさせる魅力がいっぱい。まずは私が始めに出会った2枚からご紹介しましょう。@は、レーベルプロデューサー、キップ・ハンラハン名義で初となる人気作。ビル・ラズウェルやアート・リンゼイといった当時NYの注目株と、前衛ジャズ史の一端を作ってきたチコ・フリーマン、バイヤード・ランカスター、そしてマイルス・デイヴィスの名プロデューサー、テオ・マセロなどのベテランを競演させた大傑作。80年代当時のNYをリアルに伝える危うさと洗練さが混じり合った傑作です。次に挙げるAは、レーベル誕生のきっかけとなる作品。アフロ・アメリカンの作家イシュメル・リードとキップは映画を制作する予定でしたが予算が折り合わず、代わりに実現したプロジェクトがこのコンジュアでした。

● アメリカン・クラーヴェ
記念すべき初作と代表作!

 アイルランドとユダヤの混血であるキップは、黒人とラティーノの混住区であったNYブロンクスで育ち、ラテンのリズムパターンであるクラーヴェのカウントでスウィングすることを覚えたといいます。彼は、テオ・マセロからプロデュースの手法を学び、ゴダールの映画にも関わった多彩で鋭い感性の持ち主。彼の感度が黒人や移民音楽家を引き寄せた結果、Aはリードの詩とともにアメリカンカルチャー全体を批評した作品になりました。他のコンジュア2作も必聴!次のBはレーベルの記念すべき第一弾。キップの幼なじみだったパーカッショニストのリーダー作です。様々なタイプのミュージシャンを混ぜ合わせた彼独自のプロデュースで注目され、当時暴力と貧困に犯されていたサウスブロンクスのシーンに、音とアートで対峙したものだったと言われています。そしてCは21世紀を前に新たなテーマを打ち出した名作!ミュージシャンを歌う語り部として登場させ、イスラムの古典『千夜一夜物語』を題材に断片的な物語を描いた内容です。共に制作していたドン・プーレンの他界といった背景で、過去の作品よりストーリーテラーとしてのコンセプトを強め、切ないまでに貧欲な音楽の飢えを語り続ける都会のBGMとして厚い支持を受けています。このレーベル音源のみを使った私のMIX作品が3月26日からJJazz.Net(http://www.jjazz.net/)で公開されています。ぜひ聞いてみてくださいね♪


ライブ情報

  • 3/22(土) 徳島 bar txalaparta
  • 3/28(金) 渋谷 The Room
  • 3/30(日) 京都 パンとサーカス
  • 4/5(土) 三重 四日市 Advantage
  • 4/12(土) 大阪 心斎橋 Circus
  • 4/19(土) 大阪 心斎橋 Musze

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