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    DJ大塚広子の「神保町JAZZ」
    2012〜15年掲載

DJ 大塚広子の神保町JAZZ:人気美人DJ・大塚広子が贈る、珠玉の神保町セレクト!

DJ Hiroko Otuka
幅広く柔軟なJazzの切り口と、徹底した音源追求、繊細かつ大胆なプレイを持ち味に、DJ/イベント企画、執筆活動を行う。全国各地から、スペイン、フジロックフェスティバル、BLUE NOTE TOKYO、東京ジャズフェスティバル等に出演。日本のジャズ・レーベル、「TRIO」、「somethin'else」(EMI)、「DIW」(DISK UNION)、「Venus Records」のMIXCDを監修制作する。

オフィシャルHP http://djotsuka.com

第19回 ちょっと気になるジャズの国 スペイン

Hiroko's Selection

  • Weightless

    @
    Feten
    Rare Jazz Recordings From Spain 1961-74

    2012年リリース。ワールドミュージックや過去の良質音源の再発でカリスマ的レーベルになっているスペインVAMPI SOULから、入魂の自国ジャズ発掘コンピレーションが到着!モード系ナンバーのクオリティが高く、なかでも'68年の未発表セッションが秀逸!フラメンコ等伝統的なサウンドからなるスペインジャズの歴史が体感できます。

  • Lost & Found

    A
    iZas! Trio
    iZas! Trio

    2013年リリースの初作。ベテラン勢が集まったトリオで、ドラマーのチャールズは、ゲイリー・バーツとの共演やレジェンド・オルガン奏者、ルー・ベネットとの活動経験も長い。伝統のオーネット・コールマンと即興演奏のデイヴ・ホランド、現代フリージャズの代表格、ルイス・クラヴィスを合わせたようなクールな前衛ジャズ!

  • Kachupada

    B
    Danza Imprevista
    Giulia Valle Group

    2007年リリース。ジュリア・ヴァレ率いるグループのセカンドアルバムで、彼女の魅力を決定づけた代表作。2サックスとピアノ・ドラム・ベースのクインテット編成で、ハラハラする絶妙な掛け合いをみせつつ時にドラマチックに広がる展開も見事・・・。ダイナミックで芯のある演奏が堪能できます!昨年リリースの新作『Live』もかっこいい♪

  • It's A Good Day

    C
    Noneto Iberico
    Alexis Cuadrado

    2011年リリース。ラテンやフラメンコ音楽と現代ジャズとの融合を意識したオリジナル曲がずらっと並ぶ。アフロ&ラテンリズムの熱いナンバーから、ダーク&ディープな楽曲、M-BASE系や辛口なアブストラクト路線まで自由でエッジの聞いた充実の内容。エキゾな香りが漂うなかにも、ニューヨークのリアルさが感じとれる作風が魅力♪

貴重なスペイン・レア音源&
現地で話題のアヴァン・
ジャズ・・・!

 この連載をはじめてから時期を見計らってやろうやろうと思っていたテーマが、スペイン。レコードで残る良質音源から、現代はニューヨークをはじめ世界の才能を発掘する話題のレーベルもスペイン発だったりして、ちょっと面白いことになっています!わたしがスペインでDJ したのが約4年前。webで紹介していたレコードコレクションがきっかけで仲良くなったスペイン人と一緒にマドリッドのクラブでDJをしてきました。それ以来、私は日本のジャズを、彼はスペインや欧州のジャズを情報交換するようになりました。昨年、彼から「ようやくスペイン自慢のジャズを広められる作品ができたんだ!」と連絡があり豪華2枚組LPとCDが送られてきました。60〜70年代のレア音源を集めた@は歴史的資料としても貴重な音源集!現地ミュージシャンの知られざる名演からダスコ・ゴイコビッチのような世界的なジャズマンのナンバーも・・・。特に独特の雰囲気があるモード系のジャズは一聴の価値あり!  さらに現在活躍するスペインのクールなバンド情報も入手しました!現地ではiZas! Trio (サストリオ)というアヴァンギャルド/フリー系のトリオがアツイみたい!まだ日本ではなかなか取り上げられていませんが、YouTubeで早くもライヴ演奏がチェック可能!クラシックな楽器構成から浮き上がる鍛え抜かれたベテランの技、そしてプログレッシブな即興演奏に引き込まれてしまいます。

スペインとニューヨーク
(ブルックリン)の密接な関係?

 現在、数々の才能あるミュージシャンを発掘し注目されているレーベルがあります。それがフレッシュサウンドニュータレント。レーベルの母体は50年代のジャズ復刻にも力を入れる30年以上続く信頼のレーベル、フレッシュサウンド。1992年にバルセロナからニューヨークに舞台を移し、90年代以降の新たな才能を広めるべくスタートした最重要レーベルの一つです。実は今旬のロバート・グラスパーの初リーダー作『MOOD』('04)はここが出元!第15回で紹介したナシート・ウェイツなど注目作品もたくさんで、そんな中これは!と見つけたのが同郷スペインの女性ベーシストのB。ラテン的開放感と、ずっしりくるスケールの大きさに圧巻です!例えるならエキゾチックなエスペランサ・スポルディング?  もう一人同じくスペインのベーシスト、アレシス・クアドラドを取り上げない訳にはいきません!バルセロナで活躍した後1999年にNYへ移り、今ブルックリンでジャズを発信する注目人物です。2001年から5枚のリーダー作を発表していて今年9月にも最新作をリリースしたばかり。彼もやはり出元はフレッシュサウンドニュータレントでした。Cは、第16回で紹介したイスラエルのアヴィシャイ・コーエン(tp)をはじめニューヨーク最強と言える布陣で固めたクリエイティブなブルックリンン・サウンド! 今欧州で最もコンテンポラリーシーンと交わりが強い国がスペインなのです♪


ライブ情報

  • 11/22(金) 渋谷 The Room
  • 11/29(金) 日本橋XEX
  • 12/20(金) 柏 Garage 201

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