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Ad-libooksの魁!就職活動:「世界一の本の街」にある古本高校。卒業が決まったAd-libooks。今度は就職活動!いざOB訪問へ!!

前シリーズ古本高校編はこちら!!

Ad-libooksとは
超名門・古本高校で出される過酷な指令をクリアするために組まれたテツヲ(左)とユキヲ(右)によるユニット。無事卒業が決まり、就職活動がスタート。憧れの(?)古書店主達に、「書棚の哲学」を直撃します!

OB訪問2 小野祥之さん
前編

この続きは来月(8/10)をお楽しみに!!


営業上は「野球が一番好き!」と語る小野さんだが、野球に限らずスポーツ全般に興味あり。 な、な、なんとボーリングはアベレージ190というから恐れ入る!

神保町で修業を積み、独立後は
野球本&赤本の2本柱で!

テツヲ うぬおーっ、巨人が交流戦優勝! このままペナント制覇、そして日本一だぁ!

ユキヲ ……相変わらずの野球狂っぷり。でも今日はそんなテツヲ君にうってつけの先輩訪問だな。野球をはじめ、スポーツ関連書専門「ビブリオ」の小野祥之さんだ!

テツヲ 小野さん、さっそくですが今年のプロ野球は……もちろん巨人が日本一ですよねー。当然ですよねー。聞くまでもないですよねー。あ、MVPはやっぱ杉内ですか?

ユキヲ アホか、野球の話は禁止。ちゃんと先輩の話を聞けーい! えーっと、小野さんはもともと玉英堂書店の出身で、最初に独立してお店を出したのは代々木ですよね。

小 野 「スポーツと参考書の店」ということで始めたんですが、独立はやっぱり難しいし、すでに子どももいたので、ちゃんと採算を取れるような方法を考えなければと思っていました。玉英堂時代に「赤本」(大学別の入試案内&過去問集)を表に出しておくと、200〜300円ですぐ売れていたので、本格的にやればある程度は稼げるなと。あれだけ毎年“いる人・いらない人”が出る本は他にありませんから。野球の本が売れることはわかっていたので、この2つに力を入れればなんとかやっていけるかなって。

テツヲ 代々木という場所は、やはり代ゼミを狙って……?

小 野 いえ、それはたまたま安い物件があったから。ネット販売も始めたんだけど、当時は競合も少なかったから、かなり手応えもありました。

ユキヲ 神保町に戻ってきたのはなぜですか?

小 野 じつは渋谷にもう1店舗あったんですけど、そっちがどうにもダメで……。ちょうどネット販売が強くなってリアル店舗が落ち込んでくる頃だから、コストも嵩む一方。何より市場や店舗を回るばかりで、単に経営してるだけっていうか、自分が「一古本屋」として仕事をしている実感がなくなってしまった。だから「もう一度、神保町に戻ってじっくり本を売ろう」と思ったんですよ。

テツヲ 熱い話だなー。星飛雄馬の燃える瞳のようだ! ところで星飛雄馬と言えば、巨…。

ユキヲ シャラップ!


神保町花月(神保町シアター)にほど近いビブリオは、野球・サッカー・武道・格闘技を中心に、スポーツ全般の古書を扱っている。 とくにプロ野球ファンなら一度は訪れて、“掘り出し物”を見つけよう!
ビブリオのHPはコチラ!→ http://www.biblio.co.jp/

神保町で店を構えているのは、
“職人的な古本屋”の世界だから

小 野 独立が98年で、神保町に戻ってきたのが2006年の12月だったんですけど、たしか寒波が来ていて、とにかく寒かった覚えがあります。「あ、俺の古本屋としての未来を暗示しているのか……」なんて(笑)。
 でも、分かれ道だったと思いますよ。あのままブックオフみたいに従業員に任せてしまうやり方だってあった。だけど、やっぱり神保町出身だし、玉英堂で良い本を沢山見ている。古本屋は“職人的な世界”だから、自分で本をちゃんと見たいし、お客さんに関われなくなるのもイヤで。

ユキヲ ちなみに小野さんはスポーツでは、当然野球が一番好きなんですよね?

小 野 営業上は「野球です」と答えておきましょうか(笑)。サッカーも大好きだし、高校ではフェンシングをやってたし、今はボウリングもよくやりますね。

テツヲ ボウリングも! ちなみにアベレージは?

小 野 190くらいかな。

テツヲ それはメチャクチャうまいじゃないですか!

ユキヲ でもテツヲみたいな野球狂は別として、人気が下がってきたと言われてるじゃないですか。やっぱり若い人はあまり野球本を買わないんですか?

小 野 中高年の方が多いですね。だけど最近は、学生が卒論を書くための資料を探しに来るようになったんですよ。そういう傾向は今までほとんどなかったんですけど、先日なんか教授に連れてこられたりとかして。

ユキヲ それだけ大学の研究も多様化してるってことだよな。



野球関連の古書のほか、往年のスター選手のサインボールや色紙、ブロマイドも目白押し。 手前の帽子は昔懐かしい阪急ブレーブスのものだ(サインは山田久志選手)。

テツヲ ところでペナントレースは「巨人がぶっちぎりで優勝!」と予想していただきましたが、古書店の未来はどのように予想されますか。

ユキヲ 小野さんはひとことも巨人が優勝だなんて言ってねえよ!

小 野 もちろん厳しいですよ。アマゾンやブックオフで買えるようなものは、いくらやっても無駄だと思う。でも「なんのために神保町にいるのか?」と言えば、そこでしか買えないものを扱っているからです。それが最低限の線引きというか、そのスタイルを続ければ大丈夫ではないでしょうか。まあ、でもアマゾンもやってますけどね(笑)。

この続きは来月(8/10)をお楽しみに!!

読書部の連載

とみさわ昭二の「古本“珍生”相談」 (連載中)

Ad-libooksの魁!就職活動 (2012年5月〜2013年6月)

Ad-libooksの魁!古本高校 (2011年6月〜2012年4月)