1994年に創業されたサクラホテル神保町は、年間約3万人もの外国人旅行者が宿泊する有名なホテルです。24時間営業のカフェに一歩足を踏み入れると、ゲストの笑顔あふれるスナップ写真が壁一面に！ 昼間はご近所の日本人の方、朝夕は宿泊中の外国人の方が多く、英語を話したい日本人と日本語を使ってみたい外国人客がコミュニケーションするシーンも。

　宿泊客の国籍はアメリカ、オーストラリア、フランスなどさまざま。さらに昨年はビザの関係でタイからのゲストが急増。彼らがめざす目的地のひとつは、神保町のお隣「アキバ」！ 日本のオタク文化が人気だそうです。

　そして、もうひとつは「東京ドーム」！ アイドルや、はるばるメキシコからビジュアル系バンドのコンサートを観に足を運ぶ人もいるそう。カフェで外国人客を見かけたら、旅の目的を尋ねてみると会話も弾みそうですね。

　サクラホテル神保町を訪れた宿泊客の、お国柄を反映したメニューがあるのもカフェの特徴。ゲストからレシピを教えてもらうこともあるそうです。

　「味噌汁ひとつとっても、各家庭で味が異なるように、メニューの味には正解がありません。なので"あくまでも、これは○○国の○○さん家のレシピです"と言うようにしています（笑）」と答えてくれたのは、スタッフの小野愛さん。

　実際、ここ神保町店のほか、幡ヶ谷店、池袋店にもある「マサラチャイ」は、同じメニューながら別々のインド人ゲストによるレシピのため、スパイスの配合が異なるそう。海外と日本の架け橋的な役割を持つサクラカフェならではのエピソードですね。日本にいながらにして文化の多様性を肌で感じられること間違いなしです！

（文･写真／浅井直子）