ナビブラ神保町 2014年2月特集

神保町エリアの最新カフェ事情!cafe+α時間のすすめ

スペシャルインタビュー:東京カフェマニア 川口葉子さん

「趣向を凝らした複合カフェに、新たな愉しみ。」人気のwebサイト「東京カフェマニア」主宰の川口葉子さんに、神保町周辺のカフェ事情を伺いました。

東京カフェマニア 川口 葉子さん

コーヒーと共に過ごす時間を大切にしているエッセイスト。数多くのカフェを訪れた経験をふまえ、Webサイト「東京カフェマニア」を主宰。日本国内はもちろん、海外のカフェも訪れ、散歩を楽しんでいる。

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最近のカフェ事情で特徴的なことってありますか?

新世代カフェは、テーマが明快な実力派揃い

店内に、アート感覚いっぱいの洋書や写真集をそろえているのもTE TO KAの特徴。

 この1、2年の間に登場した小さなカフェたちは、お客さんの多様な好みをダイレクトに反映する新鮮な空気に満ちています。たとえば日本橋の「COFFEE IN THE HOUSE」は、高品質なコーヒーとバリスタ(コーヒーに関する知識と技術をもつスペシャリスト)の人間味を楽しめる場所。従来のカフェスタイルとは異なる、アメリカや北欧の流行を取り入れた新しいコーヒー文化です。

 これまでなかったといえば、個人的にもたいへん惹かれる神田司町の「TE TO KA」は、美しい空間で書物とアートイベントとおいしいコーヒーを楽しませてくれる、いかにもカフェらしい魅力に溢れたカフェです。

やみつきスパム丼「avocafe」の、アボカドとハワイの塩漬けハム、温泉卵が載ったヘルシーな「やみつきスパム丼」(900円)

 また、以前はパスタとスイーツで人気を博していた店が、「STYLE'S CAKES & CO.」と名前を変えてスイーツに特化したカフェをスタートさせたり、「avocafe」のようにアボカド料理専門のカフェが登場したりと、新世代のカフェはお客さまに訴えるテーマが明快なんです。

老舗カフェが多い神保町ですが、この界隈でオススメの新スポットはありませんか?

マーチエキュート神田万世橋はカフェ天国!

マーチエキュートの施設内は、まるでトンネルの中にいるような異空間が広がっています。

 明治45年竣工の万世橋高架橋が、JRにより商業施設「マーチエキュート神田万世橋」として再生しました。その手の大型施設に“路地裏的な愉しみ”など発見できるのかしら…と思いきや、予想を裏切って歴史ある赤煉瓦のアーチの内部には、カフェ好きの心をとらえる嗜好性の高い小さな名店が勢ぞろいしています。

 まずは、コーヒーロースター&カフェによるコーヒースタンドとして評判「OBSCURA COFFEE ROASTERS」があります。また、山形の食材を使った定食が人気を集める馬喰町のカフェ食堂「フクモリ」の2号店もここに! 長野の有名インテリアショップの東京初出店となる「haluta」では、オオヤミノルさんのコーヒー豆によるエスプレッソやコーヒーを提供しています。

マーチエキュート神田万世橋赤レンガ造りの歴史を感じさせる高架橋下には、嗜好性の高いカフェが並んでいます!

 また、ガラス張りの空間の両脇を電車が走り抜けていく屋上カフェ「N3331」は、鉄道ファンにはたまらなく嬉しいでしょうね。

新しいスタイルのカフェと昔ながらの喫茶店文化が交錯するのが神保町の魅力?

「神保町喫茶ワールド」を支える、歴史ある珈琲店たちも健在!

「神保町喫茶」を代表するお店といえばココ。伝統と風格を感じさせる佇まいです!

 神保町の顔ともいえる昭和名喫茶御三家「さぼうる」 「ミロンガ・ヌオーバ」 「ラドリオ」は、依然、全国からレトロ趣味の乙女たちが巡礼に訪れるほど有名ですね。その一方で、古くから街の人々の日常を支えてきた端正な珈琲店、愛嬌のある珈琲店が少数ながらも生きつづけているのも頼もしいことですね。

 神保町の近所でも「高山珈琲」(神田須田町)や「カフェ・ビィオット」(神田美倉町)で味わえるネルドリップのコーヒーの風味と落ちついた時間はとても魅力的です。また、ちょっと珍しいメニューが満載で、昭和そのものの外観も心をくすぐる「エース」など、いずれも店主がまじめに、黙々と良いお仕事を続けてこられたお店です。

 まさに、新旧のスタイルが融合した良さに触れられるのが、ここ神保町界隈の喫茶店。いろんなお店をハシゴして、ぜひ直に味わってみてください!

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