看板建築が残る神田司町界隈に昨年9月にオープンして以来、すっかり街並みに溶け込んだ感のあるカフェ「TE TO KA」。それもそのはず、ここは築90年ほどの建物を大規模に改修したもので、神田明神のお神輿もかつぐオーナー兼店長の小林千絵子さんを中心にしたアーティスト、キュレーター（学芸員）が集まって“カフェ＋アート”なスペースを形にしています。

　飲食利用以外にも、仕事帰りのサラリーマン・ＯＬさんたちが本を買いに立ち寄ったりするそうですが、「ご近所の個性的な常連さんも多くて、毎日が"神田物語"というドラマを観ているようです」と笑う小林さん。どうやら"好き"という感覚が流れる、温かくいきいきした空気が多くの人を惹きつけているようです。

　もともと、神田や本駒込で雑貨店の店長を務めていた小林さんは、味のある雑貨を買いつけるのが得意。古いものと新しいものを絶妙にミックスさせた、店内のインテリアも見どころのひとつです。

　ちょうど取材時に開催していたのが、ご近所の雑貨屋さんとコラボした11人の作家による「そばちょこ展」。その器で実際にお酒や特製おばんざい、蕎麦（実際に蕎麦打ちイベントも開催）をいただけるのもカフェ＋アートならでは！

　また、壁面ではコラージュで知られるアーティスト、伊藤桂司展も開催しており、思わず五感がフル稼働してしまうこと間違いなし！　今後も続々と食やアートに関連した展示やイベントを企画するほか、ランチを始める予定もあるそうなので、ますます目が離せません。ぜひ足を運んでみて！

（文･写真／浅井直子）