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    2012〜15年掲載

古本高校の月1課題に頭を抱える新入生・テツヲ(左)。そんな彼をしごきながらも導く伝説の古本番長・ユキヲ(右)。どんな無理難題にも、その場の知恵とアイディアとユーモアで乗り切る即興系古本ユニット。新しい古本の愉しみ方を、身体を張って世界へお届け!

テツヲ

古本高校に入学してもう一年か。早いなあ……。

 

ユキヲ

今月も暗いじゃないかテツヲ君は。なに、また野球のこと考えてんの?
  

テツヲ

野球は巨人が優勝に決まってるから良いんです! わからないのは人生っていうか……番長教えてください、僕はこの先どうしたらいいんでしょうか?!

 

ユキヲ

いきなり重いよ! と、とりあえず話は今月の課題を済ませてからな。

 

テツヲ

「地下がある本屋を探せ」って、神保町にそんなのあるわけないじゃないですかね。あ、これ嫌がらせなんだ。うわーそうだ、そうに違いない!

 

ユキヲ

どうしたテツヲ! キャラがおかしいぞ! しかも「地下がある本屋」はあるからね。まず自然科学系学術書の専門店としておなじみ明倫館書店(@)だ。

 

明倫館

確かに地下がある本屋は珍しいかもね。よく来てくれるお客さんからも「地下なんかあったんだ」って言われることがあるくらいだから。たまに階段から恐る恐るのぞくお客さんと目があって、引き返されちゃったり(笑)。分かりづらいかもしれませんが、地下にも足を運んで欲しいと思います。ほら、番長も「一歩奥へ」みたいなこと言ってたでしょ?

 

ユキヲ

正しくは「一歩先へ、一歩奥へ、一歩上へ!」ね。テストに出るからちゃんと覚えとくように!

 

明倫館

地下と言えばうちよりも大雲堂さんの方が気付きにくいかもね。

 

テツヲ

ということで大雲堂書店(A)へ。地下はどこだ……? あ、案内がある。

 

ユキヲ

やっぱり地下は知られていない感じがしますか?

 

大雲堂

明倫館さんは入り口近くだけど、うちは奥に階段があるからわかりづらいかもね。時代に合わせて一階と地下の本を入れ替えていて、今は書道や囲碁将棋など趣味の本が中心です。一階より少し渋いセレクトにしています。ちょっと勇気がいるかもしれませんが、一生懸命棚を作ってますので、ぜひ地下にもお越しください!

 

ユキヲ

大雲堂さんの地下と言えばちょっと小耳に挟んだんですけど……

 

大雲堂

雨漏りでしょ(笑)。台風の時なんかは本を全部棚から抜かなきゃならないくらいひどくて。うちの建物には問題ないんだけど、歩道から水が逆流してきちゃうみたいなんです。

 

テツヲ

もし関係者の方がご覧になってましたら、改善をお願いしますっ!

 

ユキヲ

最後はヴィレッジヴァンガードお茶の水店(B)。……店長の西尾さん、その節は誠にすみませんでした!

 

テツヲ

いきなりの謝罪キタ!番長、今度はなにをやらかしたんですか。

 

ユキヲ

『神保町公式ガイド Vol.2』の「ワタイチ」企画(私のお気に入りの一冊を紹介するコーナー)で、西尾さんに聞きそこなっちゃったんですぅ。ごめんなさい(C)……改めて、地下はどうですか。利点とかあります?

 

ヴィレッジヴァンガード

地下じゃない方が良かったと思うことばっかりですよ。場所がわかりづらいし(笑)イベントの時にプロジェクターを壁面に映せるスペースがあることくらいかな。でも地下うんぬんってよりは空間としてとても魅力的だし、好きな場所だと言ってくれる人も沢山います。確かにわかりづらいけれど、その分見つけた人には愛着が湧くのかもしれませんね。ぶらっと立ち寄るというだけではなく、「目的地」としてちゃんと意識してもらえているような気がします。

 

テツヲ

目的地かあ。僕はこれからどこに行くんだろうな。

 

ユキヲ

テツヲはさっきから何をそんなに悩んでたんだい?

 

テツヲ

古校入学して一年。そろそろ進路を考えなきゃって……。

 

ユキヲ

なーんだ、そんなことか。全部この番長様に任せとけって!ガハハハ

 

テツヲ

番長!(泣)一緒に学ランを脱げるようにがんばりましょう!

 

@ 明倫館書店の地下
神保町で自然科学系の古書店といったら、明倫館書店。地下は建築や工学系や医学の書籍がズラリ! 外の均一も、一階の科学・数学・自然科学系も所狭しと本が並んでいます。

A 大雲堂書店の地下
一階のラインナップよりも、ちょい渋めの本をセレクトするという二段構造を展開。消費者心理をくすぐるような地下への誘導がグッド!

B ヴィレッジヴァンガードお茶の水店
自称「日本一場所が分かりづらい店」のヴィレッジヴァンガードお茶の水店。えっ、神保町にヴィレバンあったの?と言う人もまだいるとか。オープンしてから10年近くたちますよ!地下の秘密基地みたいな素敵な店です。

C 西尾店長のワタイチ「DIORAMA」
ということで、あの時聞けなかった西尾店長のワタイチはこちら! 年2回発行のインディペンデント漫画誌。西村ツチカ、真造圭伍、ふみふみこら次代を担う漫画家たちに加えスカートa.k.a.澤部渡、さよならポニーテル、オノマトペ大臣ら若く才気あふれるミュージシャンら13人が筆を揮う!

読書部の連載

とみさわ昭二の「古本“珍生”相談」 (連載中)

Ad-libooksの魁!就職活動 (2012年5月〜2013年6月)

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