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    DJ大塚広子の「神保町JAZZ」
    2012〜15年掲載

古本高校の月1課題に頭を抱える新入生・テツヲ(左)。そんな彼をしごきながらも導く伝説の古本番長・ユキヲ(右)。どんな無理難題にも、その場の知恵とアイディアとユーモアで乗り切る即興系古本ユニット。新しい古本の愉しみ方を、身体を張って世界へお届け!

テツヲ

暑つい……。課題なんかほっといて江ノ島でも行こうかな……。

 

ユキヲ

喝ァァツ!古校の学ランを脱ぐとは、それでも神保町の漢かっ!!
  

テツヲ

番長だって、脱いでるじゃないですかぁ〜。てか、学ラン着てないとただのオッサンですね。 (注:あまりの暑さにアドリブックスは学ランを脱いでしまいました)

 

ユキヲ

お前もな!さあ今月の課題は「神保町で一番大きな本と小さな本を探せ!」大きな本と言えば洋書、ってことでやって来たのは『崇文荘書店』。

 

崇文荘書店

うちにはないけど1660年にオランダで制作、英国に寄贈された地図帳が幅1.9メートル、高さ1.75メートルで世界最大と言われているよ。大英博物館にも置かれているんですよ。

 

ユキヲ

あらま!うちのベッドより大きい!

 

テツヲ

寝る前の読書が出来ませんね(笑)

 

崇文荘書店

うちにある本で大きいものは、このウイリアム・ホガースの作品集(@)かな。1822年に三種類出版されたもので、これは一番大きい特装版なんだ。ちょっと持ってみる?

 

ユキヲ

おおお、重い……。腰が抜けそうだ!

 

崇文荘書店

そう、年取ると大きい本は疲れるからだんだん扱いたくなくなるんだ(笑)。豆本やってる呂古さんなんかが羨ましくなるね。

 

テツヲ

というわけで次は小さな本を探しに『呂古書房』へ!

 

ユキヲ

可愛らしい豆本がいっぱいだ。ぐふふ、女の子受けしそうだな!

 

テツヲ

むさくるしい番長にはちっとも似合わない世界ですね。ところでどれくらいの大きさから「豆本」って言うのかな。

 

呂古書房

文庫本の半分以下のサイズね。ちなみにうちにある一番小さな豆本は0.95ミリ角でギネスブックにも載ってるのよ。

 

ユキヲ

0.95ミリ?まったまたー。いくら何でもそれは言い過ぎでしょー。

 

テツヲ

定規の1ミリの目盛より小さい本があるわけないですよ〜

 

呂古書房

これをご覧なさい!ケースに入った赤いのが見えるでしょ?これが印刷博物館で作られた0.95ミリ角の豆本『十二支』なの。隣にある複本でも1.5ミリ角ですからね(A)。

 

ユキヲ

なんじゃあこりゃー!すごい!すごすぎる!でも、読めないっ!

 

呂古書房

「本を小さく」っていう発想は聖書を持ち歩くために始まり、その歴史の中で同時に美しさも追究されたんだけど、「どれだけ小さくできるか」という方向性の最高峰がこの『十二支』なのね。

 

テツヲ

さっき大きな本を紹介してくれた阿部さんは「豆本は軽いから腰を痛めなくて良いなあ」と仰ってましたね。

 

呂古書房

あら、本の大きさに比例するかどうかは知りませんが、うちは売上も小ぢんまりとしていて……(笑)(B)。

 

ユキヲ

俺のように心は大きく、見た目は可愛らしいのが一番だな!

 

テツヲ

真逆!

 

@大きな本を抱えるユキヲ
いろいろな本を見ている番長でも、この大きさにはビックリしたご様子。

A豆本
左端の丸いところに入っている、点のものが本です!外に出したら、無くなっちゃうので、しっかりと保管してあります。

B呂古書房店内
呂古書房店内のショーウインドーは圧巻!可愛い本たちが一堂に並ぶと、可愛さ五割増し!

読書部の連載

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