白山通りから少し入った所にたたずむ「ビストロ フェーヴ」は、白を基調とした木窓があしらわれたナチュラルな外観。店内も柱や梁などに古材を使い、どこか��和�≠ﾌテイストを感じさせる印象です。

　オープンしたのは2013年8月。オーナーシェフの馬場将吾さんは、それ以前の竹橋のお店にお勤めだったときから、ふらっと立ち寄っていた神保町には親しみがあったそう。

　「内装は古材を使うのが上手な方にお願いしたんです。フランスっぽさが強いと、かえって入りづらいと思って。神保町は都会の真ん中なのに、路地裏を散歩していると古い建物が残っていたり、古本屋さんがあったり……と、楽しかったんですよね。
　また何度も来ているうちに、美味しいものをわかってくれるお客さんが多いことにも気づき、出店するなら神保町と決めていました」

　馬場さんの予想どおり、ちょっとだけ贅沢な��普段使い�≠�してくれる大人のお客様で、ランチも夜もにぎわっているようです。

　フレンチとイタリアンを経験した馬場さんが心がけたのは、「バルとビストロの中間」のようなお店。メニューを見ると「自家製鯖の燻製　サラダ仕立て」や「アンディ―ブとリンゴ　ロックフォールのサラダ」などの軽めにつまめるものから、「牛ハラミのステーキ」のようにガッツリしたメインディッシュまでさまざま。

　「いろいろなお客様のニーズに応えたいので、ビストロによくあるプリフィクスコースは設定せずに、単品でも臨機応変にお客様の好みに対応できるようにしています」

　仕事帰りの女性が気軽にワインとおつまみで一日をしめるのもよし、あるいはグループでわいわいとビストロ料理を囲むもよし。30種類ほどの自然派ワインも目玉なので、神保町のおいしいもの好きにとっては、ますます愛されそうなお店です。

（文･写真／浅井直子）